花柵わわわの二ノ国箱庭

主に二ノ国の二次創作をやっております。たまに別ジャンル・オリキャラあり。動物も好き。 Twitter始めました→https://mobile.twitter.com/funnydimension

【二ノ国小説】part6「騎士の懺悔に黒の檻」【※ks&グロ注意】

今回もやって参りました“グロノ国”!!((をゐ。
…下らないジョークはさておき、学生お待ちかねの☆夏☆休☆み☆がやって来ましたYOヽ(^o^)丿
これで少しは更新のペースも上がるんじゃないかな(´・ω・`)((どーでも良い。
因みに今回はちょい長めだったり。

では今回も…ゆっくりしていってね!!
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二ノ国 magical another world

精神融裂~モノクロームの絶対神~



「はははははは!!言わんこっちゃありませんね!見なさいな…中途半端に情を持つと中途半端に死ぬんですよ」
影は一見穏やかな笑顔で、袖から二本の黒い触手を出した。
「とりあえず心臓を一突きしますね…ついでに脳もかき混ぜといてあげます。
まあ、私の肉体でしかない主のことでも想いながら死んで下さいな」
「…クソッ!!」
勢い良く触手は伸び、必死の思いでジャイロが弾を撃つ。

「っ…!?」
それと同時に、エビルナイトは脚の力だけで後ずさりした。
「うっ……」
彼の表情が強く引きつる。
無理やり触手や白大蛇を引き抜いたためか、かなり苦痛を伴っているらしい。

「…これは驚いた。胴体を貫かれても立つとは」
影が心底感心した様子で見た先に、エビルナイトに開いた大きな穴があった。
臓器も見当たらず、そこには唯一残った背骨だけが見える。
この背骨のみで上半身と下半身が繋がった状態の彼は、猛毒の回った両腕をぶら下げ脚を震わせていた。

立っているだけでも奇跡のようなものである。

「全く…主の方を思い出すじゃありませんか…」
その様子を見て影は目を細めた。
「ろくに動けもしないクセに、そんな鋭い眼を私に向けるなんて…つい先程までのこの男そのものですよ」
言いつつ更に口元を歪める。
「…だが、お前はこの男と違う」
「っ……」
エビルナイトは途端にその場で崩れた。
「エビルナイト…っ!」
オリバー達が彼の元へ駆け寄る。
「そんな……」
彼らはエビルナイトの傷を見つめて辛辣な表情を浮かべた。
しかし、重傷の彼がかすれた声で言ったことは…。
「…済まないな……足を…引っ張る形と…なって……だが…」
彼は手を伸ばす代わりに、虚ろとなった瞳で影を見つめる。
「私には…果たす…べきことがあったんだ……それなのに…奴の術中に……」
「もう良い。それ以上喋るな。アンタは少しでも体を癒すべきだ」
ルッチが静かに、強く言った。
それから彼は、相変わらず笑う影を睨む。
「…それに、アンタは何も悪かねぇ。安心しろ……アイツはぜってぇに仕留めてやる」

「束の間の馴れ合いは済みましたかねぇ?」
影が白大蛇を激しくうねらせた。
オリバーも影を睨みつつ言う。
「僕らに任せて…きっと元に戻してみせるから」

「……」
エビルナイトは、沈黙したまま尚影を見つめた。
「…安全な所へ行くわよ」
そんな彼の体をリーストが支える。
脚だけは健在なので、自力で立てなくとも上半身を支えればどうにか歩けるのだ。
「……済まない…」
エビルナイトは、素直に従った。
欲を言えば回復などせずに死力を尽くしたいのだが…体は既に限界。
大人しく回復に専念するより他は無いのである。

彼の中には、純粋な悔恨の念だけがあった。

「やはり強いな…アナタ方は」
本体を中心に攻め続け、ようやく影にも体力を消耗した様子が出る。
しかし、オリバー達が与えた傷は今のところ僅か…致命傷にはほど遠い。
それでも分かってきたことはあった。
やはり影は光を苦手とするらしく、“グラディオン”など光攻撃だけは巨大な翼で身を守って防ぐのだ。
影に隙さえ作らせれば大きなダメージを与えられることだろう。

「お前はさっき、“神の意志”を執行するって…そう言っていた…」
そんな状況の中、オリバーが影に問う。
「だったら、その“神の意志”というのはどういうこと?
お前がそんなことを“執行”したい理由は何なんだ?」

すると、影は突如両手で地面へ触れた。
「!?」
オリバーは足元の地面から生えた触手に驚愕する。
影が一瞬で、地中から彼の足元へ移動させたのだ。
「うわっ…!?」
思いもよらぬことだったので、オリバーは迎撃も出来ず触手に包まれていく。
やがて触手は影とオリバーを囲み、二人だけを中に入れた黒い球体になった。

「オ…オリバー!?」
「畜生!俺の銃弾でも少しの傷しか付かねぇ…!」
「魔法でも駄目です…」
突然現れた巨大な球体…マル達はその中からオリバーを助け出そうと球体へ攻撃するが、傷が殆ど付かないためあまり意味を成さない。
「クソッ!アイツ…こん中でオリバーに何する気や!?」

「少々外野連中が騒がしいですが…まあ、気にせずにやりましょうか」
殆ど何も見えない暗闇の中、社交的な笑みを浮かべる影の瞳だけが赤く光る。
「っ…!」
一方オリバーは、触手で手足を拘束される形となった。
必死にもがいてみるものの、触手は外側の攻撃にも耐えているだけあって全くほどけない。
「…そう警戒しなくても大丈夫ですよ」
言いつつ、そっと彼の頬に触れる影。
「私は只、君からの問いに答えたいだけですから…それには他の奴らが邪魔だった」
「……?」
「何故だか分かりません?なら説明しましょう…それはね……」
影は突如、優しく頬へ触れていた手に力を込め…笑ったまま目を見開いた。
「っ…!?」
爪が食い込む程強く掴まれた痛みに、表情を引きつらせるオリバー。
そんな彼へ、影は更に顔を寄せ言う。

「……この男の対である君は、この男をあれ程までに変えたお前は“違う答え”をきっと出してみせる筈だと…そう思ったからですよ」

その言葉を聞いたオリバーは更に混乱した。
しかし影は、尚も続ける。
「私に対して複数の質問をしたんだ……そちらも私の問いに答える義務がある筈でしょう?」

オリバーはこうして、仲間が存在しない空間へ留まることとなった。

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         ~END~