花柵わわわの二ノ国箱庭

主に二ノ国の二次創作をやっております。たまに別ジャンル・オリキャラあり。動物も好き。 Twitter始めました→https://mobile.twitter.com/funnydimension

【二ノ国小説】part5「無慈悲な幻」【※ks&グロ注意】

part4から大分間が開いた気がしますな…(´・ω・`;)サセン

前回で影が大分ヤヴァい状態になりましたが…筆者としてはまだまだ序の口ですね((
私が書いてる小説はこんなモンでは収まらないんでww
これから凄まじいことになりますy((氏

では、酷い内容で我慢出来る人はゆっくりしていってね!!
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二ノ国 magical another world

精神融裂~モノクロームの絶対神~


「これは…キリが無い!」
「何とか止められへんのかあの蛇共!?」

オリバー達は、影の一部である白大蛇に悪戦苦闘していた。
何しろこの蛇達は当然、只の大蛇ではなく…伸縮自在な上に再生が早いのだ。
胴体を切ればその瞬間に首が生えるのである。

すると、ラースがオリバーの方を視て言った。
「このままでは埒があきませんよ。…もう、大蛇は無視して本体を!」
「うん…!」

「出来ますかねぇ?そんなことが」
影が直立で白大蛇を操ったまま言う。
「外見で察することは容易でしょうが、一つ申し遅れましてね」
「…!?」
「この大蛇は見ての通りに猛毒を持っています。いくらアナタ方でも所詮は人間…噛みつかれたら早急に解毒しないと、確実に死ぬ」
「…マジかよ」
更に、白大蛇が猛毒持ちであると知った彼らはより緊迫した…が。

「ハッ…しゃらくせぇ!!」
そう言ってルッチが白大蛇を斬り捨てた。
地面に大蛇達の首がボタボタと落ち、黒い霧と化して消える。

「なら、解毒役と蛇処理、直接攻撃に分けりゃ良いだけの話だよ」
「ルッチ…!」
「何…こういうのには人間より俺達のが強いてなこった。この蛇共は俺とブロッケンに任せとけよ」
ルッチはそう言って人間勢に笑いかけた。
「…ありがとう……」
オリバーはそう呟くと、眼光を鋭くする。
それから彼は言い放つ。
「…いくよ!」
すると他の者達も気を引き締めるのだった。
「……実に懐かしい光景だ…。この体にも深く刻まれている。美しいですね…他人同士の心が繋がるというものは」
影はオリバー達を微笑ましそうに眺める。
しかしそれも束の間。

「美し過ぎて反吐が出る」

ジャボーが放つとは思えぬ言葉と同時に、猛吹雪を発生させた。
「これじゃ…狙いも定められやしねぇ!」
瞬く間に一面が白に変わり、影の姿は完全に紛れる。
手も足も出ないと思われた。

「!?」
しかし、目を見開いた影の前に一瞬で何者かが現れる。
「…エビルナイト!?」
そう、この猛吹雪を潜り抜けたのは彼であった。

彼は幾度となく主の魔法を目にし…当然、今の魔法が強化版であるとはいえその突破口も熟知している。
「……」
影は、目を丸くしたままエビルナイトを見つめた。
それが、先程までの迷いを全て断ち切ったかのような鋭い瞳と交錯した刹那。
彼の大剣が影の首元を捉え───

剣は彼の首に触れたまま止まる。

エビルナイト自身もその動きを止めていた。
何かの拍子で硬直してしまったかのごとく。
「………!!?」
今度は彼が目を見開いた。僅かにその身を震わせているようにも見える。
それも当然。

「………」

彼の目の前にあったのは、息絶えたように安らかな表情…紅い髪を持つ男だった。

「…まさか…正気に戻ったとか?」
「……違う。アレは…────」
マルとオリバーがそんな会話をした直後。

「…フフ」

一瞬にして髪は黒く染まり、その口元が大きく裂けた。
「エビルナイト!!!」
ルッチがハッとして叫ぶ。
しかし、呆然とした彼にその声は届かない。
「シャアアアァァァッ!」
「っ…!?」
故に、影はその一瞬を逃さなかった。
白大蛇が、大剣を持つエビルナイトの右腕に噛み付く。
更にもう一頭は左腕を噛む。
「…ぁ…ぐっ…」
大剣と盾が消え失せ、エビルナイトから腕の力が抜けた。
しかし白大蛇は尚、彼から血液と共に体力を奪い…猛毒を傷口から打ち込んでいく。

「だから言ったでしょお?生半可な覚悟で私は止められないんですよ」
影は笑いながらそう言い…。

  ドス。

「うぐぁあああ…っ!!」
右腕から黒く太い触手の束を出し、エビルナイトの腹部を貫いた。

「…!!」
「……アイツ…何て真似を…」
「一体どういうことなの!?」
マルが問うと、ジャイロは辛辣な表情で答える。
「おそらく…アイツは一瞬だけ体の支配権を元に戻した。だからアレは紛れも無くジャボーだった…」
「…え……」

「エビルナイトの気持ちを利用したんだよ…アイツが主を傷付けたくないのを知った上で、最もえげつない真似をしやがった…!」

エビルナイトに開いた巨大な穴から、口元から赤い飛沫が飛ぶ。
僅かにそれを浴びた影の笑顔はどこか恍惚としているのだった。

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         ~END~