花柵わわわの二ノ国箱庭

主に二ノ国の二次創作をやっております。たまに別ジャンル・オリキャラあり。動物も好き。 Twitter始めました→https://mobile.twitter.com/funnydimension

【二ノ国小説】part8「神様ありがとう」【※ks&グロ注意】

久々の続きになります(´・ω・`)
レイナス女王様が加勢してかなり良い状況になったと言えますな。
こっからが本当の戦いだっ!((は

てな訳で…今回も
ゆっくりしていってね!!
─────────────────

二ノ国 magical another world

精神融裂~モノクローム絶対神



「あと少しで完治する筈……」
「…それにしても…酷い傷だね……」

オリバー達が影に目を向けるその裏で、リーストとセバは地面に横たわるエビルナイトを見つめた。
リーストは相変わらず無表情、セバは痛々しそうな表情である。
「何で…自分の分身をこんなに傷付けられるんだろう…?」
「…言ったろう……今あそこに居るのは、あの方に取り憑いただけの…敵だ…」
「「!」」
しばらく沈黙していたエビルナイトが、セバの疑問に答えた。
「……否、あの方で間違いないのかもしれんな…」
彼はかすれた声で続ける。
「…どういう意味かしら?」
リーストが彼に問いた。
気楽そうな口調と裏腹に、表情からはかなり真剣味が感じられる。
「正直、お前達に救われる前のあの方には…私すら理解出来ぬ“深淵”ようなものが感じられたよ」
「“深淵”…つまりは“心の闇”?」
「ああ…目に見えるものだけではない……本当に誰も覗けない…本人すら覗けぬ領域に達したであろう“深淵”だ」
「………」
「どうも人間というのは、自らの力だけで心を定められる生物ではないらしい……私達もおそらくそうであろうが…」
「…つ、つまり…今居るアイツはその“深淵”…て言いたいのっ?」
「……おそらく」
それから、エビルナイトの目に強い光が籠もった。

「だからこそ…私が止めるべきだ。自らの力だけで定められぬというなら、近しい者が力になるより他はない」

突如、リーストが長い溜め息をつく。
怪訝そうに彼女を見るエビルナイトに対し、リーストは言った。
「…そう言う割に、他人の助けを借りようとは微塵も思わないのね……貴方も主の方も」
「……何?」
「確かに昔は天涯孤独だったかもしれない。人間不信でもあったかもしれない……けれど、今は私達がいるじゃない…」
そう言いリーストは俯く。
「貴方達もまだ変わってない所があるわ……そういう風に、何でもかんでも…限界を超えても自分だけでやろうとする所よ…」
いつの間にか、彼女は拳を震わせていた。
普段無表情なだけに、セバもエビルナイトも驚いた様子だ。
「そうするとね…どんどん周りが見えなくなるの……手を差し伸べてくれる存在にも気付けなくなるの…。
さっきもそう。主を傷付けたくないのを無理に押し殺して、自分で主を傷付けようなんて………簡単に出来る訳ないじゃない…」
今や声までも震えている。
「……もっと私達を信じてよ。私達だって…一人じゃここまで立ち直れなかったんだから…貴方達だって同じ筈でしょう…!
…それに、貴方の主があんな貴方を見たらどんな気持ちになるか…あの時私達がどんな気持ちだったか…少し考えれば分かる筈でしょう……!?」


「百年…ですって……!?」
「ええ…丁度そのぐらいでしたよねぇ……貴女が“私達”を導いてくれたのは…」
一方、レイナスは影の言葉に困惑していた。
影は貼り付けたような笑顔で彼女を見つめる。
「…まさか……貴方も独立したというの…!?」
「“貴方も”ですって?……ああ、そういえば彼らもそうでした。
世界管理評議会・エルダードゥーク……絶望から妄想へ逃げた結果の産物…」
どうやら、彼もエルダードゥークのことは知っているようであった。
更に彼は続ける。
「仮にアナタ方があの戦いに敗していたら…彼らも貴女の肉体を乗っ取っていたかも分かりませんね。まあそんなことはさておき…彼らと考えが異なるとは言え、確かに私も彼らと同等の存在ですよ」
「じゃあ…やはり貴方はっ……」
レイナスは表情を引きつらせた。
どうやら、ナシウスが“ジャボー”へと変貌した時に何かあったらしい。
オリバーが彼を倒したあとに見たそれまでの記憶……丁度あの後辺りの出来事だろうか。
「…それもまた今ではどうでも良い。貴女のお陰で私達はここまで来れたのですから……神様ありがとう」
そう言い、影は杖を構える。
と同時にオリバー達も警戒を強めた。
「運命の悪戯でも…」
影が呟いた途端、杖の装飾である筈の蛇が宝玉を飲み込む。
「…巡り会えたことが…────」
すると杖の先端が変化し、それはトライデントへ…

「幸せです」

そして影は、レイナスへ襲いかかった。
「ぐっ…!?」
彼女は、何とか腕を交差させ受け止めるが、想像以上に影の力は強い。
そんな影は、再び笑って言った。

「流石ですね……しかし、ここからが本領発揮ですよ」

f:id:zzzxv437:20130825212828j:plain

f:id:zzzxv437:20130825212846j:plain

          ~END~