花柵わわわの二ノ国箱庭

主に二ノ国の二次創作をやっております。たまに別ジャンル・オリキャラあり。動物も好き。 Twitter始めました→https://mobile.twitter.com/funnydimension

【二ノ国小説】part14「忌まわしき故郷と旧友と」【※ks&グロ注意】

皆さんこんばんちは(*・ω・)ノ

遂に漆黒の魔導士が降臨なさったようで。
オイ「アレは全くの別人」とか言ったの誰だよ

…さて、 この小説にはグロ表現・鬱描写が含まれておりますので閲覧の際は気を付けて下さい。

そして今回は、二度も下書きボタンと公開ボタンを押し間違えるという恥ずべき失態を犯したのである……川orz
…いや、逆に考えるんだ。未完成だって見られてもいいさ、と。
読者様には「先行公開してみました☆続きは後でネ☆( ・ω<)テヘッ」みたいなノリでやったと弁解すればいいさ…t((氏

ゲフンッ!!(((

では今回も…ゆっくりしていってね! ───────────────────────

二ノ国 magical another world

精神融裂~モノクローム絶対神




「変わらないな……何も進んでいない」

国の中でも一際高い塔の上に立ち、ジャボーは故郷…アルテナを眺めた。
今回此処へ来たのは、故郷の現在が気になったからでも感傷に浸るためでもなく…。

「……これより、進歩無き軍国へ“革命”を」

町中に黒球を生み出し破裂させると、黒い衝撃波が走る。

あの後彼はレイナスの居場所…白の宮殿に飛ばされ、この魔法と“ジャボー”という名を与えられたのだ。
その時のジャボーの虐殺方法が、この魔法と似ていたからである。
魔力を最大限まで引き出しそれを圧縮する…実のところ原理は同じなのだ。
それに気付いたレイナスは確信した。
彼にはこの魔法を扱う素質がある、と。

こうして得た魔法こそ、
究極の暗黒魔法“イーゼラー”だ。



「何だっ…敵襲か!?」
人々は驚き、慌てふためく。
間人は一目散に建物内へ向かい走り、
兵士達はイーゼラーが発動した現場へ集った。

「初めまして、こんばんは」
「!!?」

すると、そこに黒ずくめの魔導士が舞い降りる。
「な、何者だ!!」
「ご覧の通り…“漆黒の魔導士”です。名をジャボーという」
「何のために此処へ来た!?返答次第では容赦しない!」
「簡単なことです。
この国の権力、戦力、財力…全てを掌握する上層部の者を一人残らず差し出せ」
「なっ……!!」
兵士達に衝撃が走った。
つまりそれは、上官や大臣…そして王の身柄までも引き渡せという要求である。
「ふざけるなっ…そんな要求を飲める訳あるか!!」
「…私はあなた方と違い平和主義者なのでね。
従って貰えればあなた方にも…国民にも指一本触れない」
兵士達はしばし悩んだ…が。

「我らの役目は…“国”のため命を賭して戦うこと!お前のような不届き者は今ここで倒す!!」

彼らは覚悟を決め、闘志を燃やし武器を構える。
「それは残念……私の言う“国”とあなた方の言う“国”は違うらしい」
兵士達を見てジャボーは含み笑いした。
彼もまた、戦闘形態に入る。

「よろしい、ならば死にたい者だけ掛かって来なさい!」





「一人殺せば殺人者。十人殺せば死刑囚。百人殺せば英雄で…… 」
ジャボーは静寂な町で呟いた。
…町とその身を赤く染め上げて。

「全滅させれば神となる」

言いつつ一人の男を見た。
「…本当ですね。これぞ戦争の真理だ」
「貴様ぁ……」
「アルテナ兵士団の上官さん。貴方もそう思うでしょう?」
そこには、ジャボーにとって見慣れた者…
アムダ侵攻の際に“女子供まで焼き尽くせ”と命じた上官が居る。
顔は兜と覆面で隠れているが、唯一見える目から憎悪の念が伝わった。
「自らやって来るとは流石です……そんな顔をしないで下さいよ」
ジャボーはそれに、笑いつつ応える。
「私は“死にたい者だけ掛かって来い”と言ったのです…しかしそれでも彼らは向かって来ました。
……そう、私は彼らの望みを叶えたに過ぎないのだ」

「貴様あああああああぁぁぁっ!!!」

その言葉で上官は激怒し…ナシウスと同じように叫んだ。



「あれでは化け物ですな…これまでの執行者と同様の……」
オムスは水晶に映るジャボーを見た。
今回のアルテナ侵攻も、白の宮殿からレイナス達が観察しているのだ。
「果たしてそうかな…」
「…と、申されますと?」
「オムス…奴はやはりこれまでの者と違う。 無益な殺生を“全く”行っていない」
「ですが兵士達は……」
「…まあ、見ていれば分かることだ」
「はあ……」
女王の言葉の意味が分からず、オムスは首を傾げることしか出来なかった。



「何だっ…コイツは……ガホッ!! 」
上官は傷付き、吐血しながらジャボーを見つめる。
「本当に流石だ…私には大道芸にしか見えませんがね」
「効かぬというのかっ…魔法が……」
苦悶と焦燥で脂汗を浮かべる彼に対し、ジャボーは一切戦闘前と変わらぬ様子だ。

あの時以来、彼は一切魔法に干渉されない体を手に入れた。
どうやらダークミストという魔法の霧のお陰らしい。

「…では、これにて……」
笑顔を貼り付けたまま袖から触手を飛ばす… が。
「ぐっ…!」
間一髪の所で上官が避け、それは兜を掠めた。
「まだそこまで動けるとは… 」
ジャボーは触手を引っ込めて再び笑う。
「残念だ……脳から足先まで貫通させてみたかったが。
脳死状態となった貴方のご尊顔、どんなものでしょうかねぇ?」
その様子は愉快げだ。
「っ……な…」
対して上官は身を震わせ…。

「なめるなああぁぁっ!!!!」

素速く彼に向かい走る。
一方ジャボーは、触手を飛ばし対応しようとしたが…。
「二度も同じ手を…食らうかあぁっ!!」
上官は短剣を引き抜き触手を切り捨てる。
そして、かなりの勢いで彼の首に掴み掛かった。
「んっ…!」
魔導兵とは思えぬ握力にジャボーも驚き、苦痛で顔を歪める。
「どうだっ…人より魔力が秀でた程度でつけあがるな!!」
上官は目を見開いて怒鳴りつけた。
「魔力に頼り切った若僧が!数多の者を戦力に仕立てた私を倒せると思ったか!?」

「…見える…私には見えるぞ……
数多の国を無に還し…積み上げられた誠のお前の真実……この国の真実が」

ジャボーは先程までと態度を一変させる。
眼光は鋭く、口元は裂けたように歪み…人間離れした表情だ。
「うっ!?」
そして、鎧をも貫通し上官の腹部を貫く触手。
「ぐ…ぅ……」
思わず彼はジャボーの首から手を離した。
「…なめるなと…言ったろうっ!!」
それでも再び短剣を振り上げる上官。

直後にその腕は貫かれた。

手のひらから肩辺りまで、触手は肉を裂いて侵入する。
もう片方も同じ状態に。
「ぎっ…ぐ、あ…あっ……」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あぁアあああアアあアアアァア!!!!」

悲鳴と同時に触手が引き抜かれ、両手から血飛沫が飛んだ。
「二度も同じ手は食らわない…それは私とて同じだ」
ジャボーは冷笑して上官を見る。
彼は力無く膝を突いていた。
呆然とし…瞳から光が消えた様子だ。
最早、両腕をまともに使うこともままならないだろう。

魔法使いにとって、両腕を失うことは死にも等しいことだった。
一度そうなると、仲間の回復魔法で治す他は無い。
それは彼ら自身が最も分かっている。
しかし、上級の魔法使いである上官は取り乱してしまった…
部下が全滅し、相手には魔法も通じないという異常な状況で。
それこそ、上官でさえ絶望へ追いやられた訳だ。


「はひゃひゃっ…見える、見えますよその心!
これが絶望に染まった心か……まるで底無しの闇の様!!」
ジャボーの目に映る上官の心…それはどこまでも黒かった。
底無しの闇、それが一番しっくり来る。

きっと少し前までの自分…否、今現在の自分の心も──────

「…心に光が当たらぬなら目に映る光も無意味。
見ろ、その眼も今や外界でなく…お前の心を映している」
言いつつ彼は触手を伸ばしたが、今や上官に抵抗する様子は無い。
「では早速、眼球を神経から切り離しますよぉ…
どんな音がするんですかねぇえええ!?」
最高に狂った笑顔を浮かべて眼球へ触手を伸ばした。

「!?」

そして触手を止める。
どこからか気配を感じたためだった。




「…………」
「……おや、まだ戦力が残っていたか」
「…お前か……」
「ええ、全て私の所業です」

ジャボーは背を向けたまま背後の声と対話する。

既に、誰が来たかは想像がつく。
金属の擦れるような音が聞こえたから。


彼の背後にいた男…否、男達は鎧を纏っている。
一人は黒き鎧…残りの二人は白銀の鎧だ。

彼らもまた、ジャボーにとって懐かしい存在であった。

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            ~END~